脱訴訟化社会
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ひきこもり・医療化・障害理論 -
成城トランスカレッジ! - 2006年6月2日
医療化っつーのはつまりアレですな,何でもかんでも病気に仕立てて病院漬け薬漬けにすると.もっと哲学的に,「否,文明が身体をモノとして扱うようになりつつあるのだ」とか何とかいう考え方にも行き着くけど,ぶっちゃけ前者の定義で良いんではないかと.
で,その影響で医療保険制度がパンクしつつある.もっと言うと「一億総病人化社会」とか「老人病院は姥捨て山,行けばみんな寝たきり老人にされる」とかそういう主張もある訳です.
「医療化」でググって見ると,こんなページが.
この講演内容には確かに,エビデンスを重視せよとかもっともな意見もある.しかしそれがこのフェミ団体の手にかかると,医者など信用するな,という単純な二元論に堕する.(なんでそう解釈するかっつーと,タイトルや各節の見出しがそういう扇情的な物になってる訳.明らかに見出しを作った香具師は講演の細かい意味を理解していない.)で,「医者を廃して助産師の手に」とか言った見出しまで付いている.
あのさ,それでお母さんが死んじゃっても赤ちゃんが死んじゃっても甘んじて受けるならいいよ. でも万全を期しても3000人に一人の赤ちゃんは死ぬ.
助産師を分娩の主役に,ってのは良い.しかし医者だって必要である.
そしてそのたんびに産科医は訴訟の危機に立たされる訳だ.最近では刑事告発の危険すらある.
医療とちょっとずれるけど↓自衛隊の話題から↓
【質問】
自衛隊削減に反対する論拠として,周辺国の軍事予算は増えているという意見がよくありますけど ,最大の脅威だったソ連は崩壊して,ロシアは今更北海道や新潟に上陸作戦かけてくるとも思えないし,中国にしたって貧弱な海軍力を考えると,岩礁みたいな無人島の占領でさえてこずるのではないかと思います.
それらを考えると 別に今より少なくてもいいんじゃないかとしか素人には思えないんですけど ,にも関わらず,自衛隊が人員削減に反対するのは何故なのですか?【回答】
第1に,現時点でさえ足り無いから.人も兵器も予算も. 自衛隊に要求されてる仕事は増えてるし,(海上警備や災害出動や海外派遣など)
にもかかわらず減らすってのは合理的ではない.というのも,
国民のオーダーが,「全部守れ」だから.
国民のオーダーが,「災害派遣」だから.
国民のオーダーが,「一部地域の確保」だけなら,いくらでも人も装備も減らせる.
国民のオーダーが,「離島なんてくれてやれ.沿岸地域の人間は死んでもいい」なら,軍備はもっと少なくてもいい.
すべては国民の意思.
それが,シビリアンコントロールというものです.
これと同じ事が医療の世界にも言える.「防衛費」を「医療費」に置き換えると全くそのまんまである.医療化を望んでいるのは他でもない,患者自身である.
一度救急外来で働いてみるといい.否,たぶん東京消防庁の救急隊として働いてみるともっとわかりやすいのではないか.とにかくみんなしょーもない事で救急車を呼ぶのである.
我々医療者は過剰な医療化など望んではいない.
しかし我々は,どう見ても天命と思われるお年寄りでも心肺停止で運ばれてきたら,仕事上の義務としてその人をスパゲティ状態にしなくてはならない.
で,さらに「医療化」でググって見ました.
出るわ出るわ,トンデモ電波なページが.
不妊の「マクドナルド化」―生殖の医療化を事例として―・・・白井 千晶・102
ここで非難している相手は医療者であって一般大衆ではない.大衆を批判するといろいろしっぺ返しが来るけど,非難する相手を限定すればあまり返り血は浴びないからね.
そこには無意識のマーケティング戦略が働いている.これを「論文の『マクドナルド』化」と呼ばせていただこう.
それにしても,大量消費の象徴にマクドナルドを隠喩とするなんてスノッブにも程がある.一度Wikipediaの「マクドナルド」の項を読んでみる事をおすすめする.
マクドナルドは、世界最大のファストフードチェーン会社として、「不健康(栄養的でない)な食物である」「過剰包装で資源の無駄遣いである」「子供を対象にした宣伝は搾取的である」「原材料の肉などの生産が生態系を破壊している」「廃棄物の処理が不透明である」などという批判の対象となった。 単に自分(たち)の名を売るだけのために、マクドナルドに訴訟を起こしたような例も多い。
また、マクドナルドはしばしばアメリカ文化とアメリカ資本支配、グローバリズムの象徴と見られるので、各国の民族主義派・保守派や、農業団体、反グローバリズム運動家の攻撃目標になる。アメリカが他国に侵攻する期間、中東の店舗は放火されたり破壊されたりした。また、英国では批判的な活動家がロンドンにある店舗を爆破し、逮捕された。
わたしだってマクドは余り買わない(それだったらフレッシュネスバーガーの方が美味いしね)けれど,こういう「都合のいい悪者 Convenient villain」的文脈で固有名詞を(しかも直接関係がある訳では無いのに)使うのには賛同いたしかねる.
以下,これから「医療化」論と「医療現場」の乖離について追記予定.


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